かっこいい男。本を読むこと、旅をすること

知り合いに、僕よりも一回り年上のとてもかっこいい男性がいます。
見た目もかっこいいし、生き様もかっこいい。
時々かっこ悪いところもあるのですが、それがまたかっこいい(笑)。
自分もあんなオジサンになりたいな、と思いますが、まあ無理でしょう。
さて、そのかっこいいSさんと、
酒を酌み交わしながら「本を読むこと、旅をすること」というかっこいいテーマで話したのですが、その時に聞いた、かっこいい話です。
    ***
Sさんが若かった頃。
北海道の鉄道旅行の暇つぶしにと持参したのは、スイフト著「ガリバー旅行記」。
札幌から道東まではかなりの長旅ですから。
いざ読み始めると、想像以上に面白い。
車窓を流れる光景を横目にみながらガリバーの冒険譚が展開していきます。
読書が止まらなくなってしまい、観光そっちのけで、宿の布団の中でもずっと読みふけってしまう。
そして到着した終点の駅で、読み終えた「ガリバー旅行記」をゴミ箱に捨てたのだそうです。
「ああ面白かった」って。
行きの旅ではガリバー旅行記の内容しか思い出がなく、
道中の出来事を何も覚えていないそうです。
北海道の旅に関して、帰り道の事しか覚えていないそう。
しかも、後にも先にも、Sさんが本を捨てたのはその時だけだとか。
なんで捨てたのかは覚えてないとのこと。
満足しきったのでしょう。
旅先で旅行記を読むのは、劇中劇のようなもの、そして、旅の中の旅。
偶然、えらんだ本が旅行記だったのが良かったのかも。
僕も、昔は、旅先では家でもできるようなことをしてはいけない、時間がもったいない、とおもっていましたが、
旅先であえて映画をみたり、読書をしたり、料理をしたりするのが最近気に入っています。
かっこいいSさんに近づけてるのかな(笑)