チクワとシャチ
チクワには大事なお気に入りのぬいぐるみがあります。
彼がどう呼んでいるかは知らないけど我々は「シャチ」とよんでいます。
手にはめて口をパカパカさせてじゃれあう、本当は子犬用のおもちゃ。
チクワは生後一ヶ月のとき台風で増水した多摩川で救助されました。兄弟やお母さん猫と生き別れになったので、兄弟代わりに買ってあげたのが、このシャチちゃん。
シャチは、チクワと激しいじゃれあいを
何百回、何千回も繰り返すうちにボロ雑巾のようになったので、
ペットショップで2代目を買ってきてあげたのですが、
チクワは見向きもしない。
相変わらずボロ雑巾のような初代シャチとしか遊びません。
ひとりでつまらないときは、シャチをくわえて家の中をうろついてます。
廊下でシャチに出くわすと、必ずペロペロなめてかわいがります。
いつもいっしょ。
あまりにボロボロでなかのワタが出てきてしまったので、
同じ形の布を切って上からかぶせて縫い付けました。
マジックで目を描いたらシャチ復活!
上の写真は復活直後の頃。
***
先日、旅行で実家にチクワを預けました。
もちろんさみしくないように親友のシャチも一緒に連れて行きます。
実家到着直後。
シャチを入り口において不安そうなチクワを誘い出しているところ。
(布の色の違いに注目!)
そして、一週間後、旅行から帰ってきたので、
実家でチクワを引き取ってわが家に戻りました。
チクワはカゴが大嫌いで、泣き叫ぶのをむりやり押し込むのに毎回一苦労です。
さらに電車も大嫌いですが、シャチも一緒なので何とかがまんします。
家に到着して玄関でチクワをカゴから出すと、真っ先に飛び出して、
『やれやれ、やっぱりおうちが一番だなぁ』、と
久しぶりのわが家を嬉しそうに一巡しますが、しばらくたつと、
『あ、あいつを忘れてた!』
と玄関にいそいそと戻り、
あんなに入るのが嫌いなカゴに自ら恐る恐る入っていき、
親友のシャチをカゴから引きずり出します。
そして、『忘れててごめんね~。家に帰れて良かったね~。』
という感じで、いっしょうけんめいにペロペロします。
ちょと感動的!
ネコに、これほど物をかわいがる習性があるとは知りませんでした。