山里の節分行事

山村の節分行事を体験。
「あーぼへーぼ」「鬼たたき」「まゆ玉」「米俵」といった節分のお供えを、
となり村、檜原村のお年寄りに教わりながらつくりました。
素朴でかわいらしいお供えものたち。
節分って、豆まきだけじゃないんですねー。
教えてくださった講師の方も、何十年ぶりかで作ったとのこと。若い人が街に出ていってしまい、こういった風習も廃れてきているみたいです。
作ったお供えの解説。
「あーぼへーぼ」
中央の傘みたいな、たのしい名前のお供えですが、アーボヘーボとは「粟穂稗穂」(あわぼ・ひえぼ)が訛ったもの。
重い穂がしなるくらいの豊作になりますように、という五穀豊穣のおまじない。
竹を熱で曲げて、ヌルデの木の枝を尖らせた竹に刺して作ります。


「鬼たたき」
対になった怖い顔がついた魔法の丸太。門の左右に置きます。
鬼がやってくると飛んでいって叩きのめしてくれるそうです。
沖縄のシーサーみたいな感じですね。
 

「まゆ玉」
お餅とミカンがつげの木の枝に刺さっています。
和のクリスマスツリーですね。お餅は10日後にゆでて食べます。

「米俵」
ヌルデの木を短く切って皮をはぎ、米俵に見立てたもの。
「※」マークが書かれています。毎年3つづつ、新しいものに交換していくらしい。豊作祈願。
木を切ってくるところから、自分の手で作業しながらお飾りをつくると、かけた時間と労力、気持ちの分だけ、念がこもって、すごくご利益がありそう。
根拠はないけど、今年は何かいいことが起きそうな感じがしてきます。
こういった風習はそういう効果があるんでしょうね。
…まいにち寒くて、食べるものも乏しく、気分も冴えないこの季節だからこそ、今年も(今年こそ?)豊作になりますように、しあわせになれますように、と祈ることで、ポジティブな気持ちになれるために。