三味線をまた弾くことにした

沖縄の三線(さんしん)を独学で習い始めました。
本当は蛇の皮が張ってある、三味線みたいなアレですが、私が手に入れたのは正確に言うと、「カンカラ三線」という、おもちゃみたいなもの。
「カンカラ三線」とは終戦前後に、沖縄の人たちが収容所の中でも音楽をやりたくて、空きかんなど、米軍キャンプの廃品で手作りした三線。

ちゃちいながら、ソウルフル?で楽しい音が出ますよ。

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実は、私は18の頃から、長唄三味線(ま、歌舞伎のBGMみたいなやつです)をやってきました。
自分なりに、一生懸命、長唄と向き合ってきたのですが、25の時に、先輩と些細なことでケンカをして、お稽古に行くのをやめちゃいま

した。

今から考えると、バカだったなと思います。若気の至りというやつですね。

それからは、自宅で寂しくつま弾く程度。それも、最後には皮が破れて弾けなくなってしまいました。

自分の結婚式の余興で、人から借りた三味線で一曲弾いて以来、ずっと三味線にふれてなかったのですが、このたび、ネットで、このカンカラ三線を偶然見つけて、安かったので思わず手に入れました。

同じ三絃の楽器でも楽譜や弾き方が内地の三味線とは違うので、戸惑いつつも、沖縄民謡を練習してます。

が、あきてくると弾けない沖縄民謡を弾くよりも、自分にとってはさっさと(下手ですが)ひける長唄を弾いた方が楽しいので、ついつい、長唄を弾いてしまいます。
勧進帳、娘道成寺、紀州道成寺、蜘蛛拍子舞だの。
(せっかく英会話に通ってるのに、ついつい日本語でのおしゃべりに夢中になっちゃう様な感じでしょうか?)

でもやっぱり、一曲くらいはちゃんと沖縄の唄を弾けるようになりたいもんです。

ちゃんと弾けるようになったら、
沖縄在住の兄を頼って、本物の蛇皮の三線を一丁買いに行く旅に行こうと妄想しています。

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むかし。
長唄をやってるというと、ずいぶん変わった趣味だねと大変珍しがられました。

が、趣味という言葉は嫌いで、こちらは死ぬ気でやってるのに(今考えるとまったく持って甘いが)、趣味とは失敬な、と思って打ち込んでいました。

学生なのに長唄をやっている、という希少価値があるだけで、
国立劇場の花道からエレベーターでせり上げってくる役をやらせてもらったり、すごい人と競演できたり、立派な師匠さんについて無料でお稽古をつけてもらえたり等、
まったく上手くもないくせに、ずいぶん身分不相応なことをさせてもらえました。

先輩とケンカしてやめちゃったことは、今思うと、本当にもったいないことをしたなと思います。
が、それがあったからこそ、別な道も開けたのかもしれません。

少なくとも、沖縄の三線とは出会えなかったわけですからね。

あと、少しでも自分に非がある様なら、「ごめんなさい」、ということも覚えましたし。。。