我が家の居候たち

2021年5月12日

我が家には、だいたい居候がいます。

借金に追われたニートだったり、売り出し中の作家が滞在しながら本を書いたり、旅大工にリフォームを手伝ってもらったり、など。

今月の居候さんは、フランス人のお兄さん。

滞在目的は、軽トラックの荷台に小屋を建てること。完成後これに乗って旅をします。

まいにち頑張った結果、だいぶ出来てきました。

こんな経緯です。

ある日、うちの近所の若者(日本人ね)が、たのしいアイデアを思いついてしまいました。

軽トラックの荷台に小屋を建ててキャンピングカーのようなものを作り、それを海外の人に貸し出して、日本の田舎を旅して地元の人たちと交流してもらいたい、というプロジェクト。

日本は大都会だけじゃない。地方の人も景色も食べ物もとってもステキなんだよ、という事を伝えたいと思ったんだそう。

ただ日本の地方は素晴らしいんだが、宿泊場所と移動手段が限られているのが困った所。外国人にとってはなかなかハードルが高い。

彼のアイデアを実現させるため、2年越しでずっと相談に乗ってきました。

どうせなら、家を作るところから外国人旅行者と一緒にやったらいいんじゃない?となり、我が家を作業場と寝泊まりに提供することになったのです。

ネットで募集をかけるとたくさんの人が応募してきました。その中から選んだのが、今回、我が家に居候している、ヤニックさん。ディジョン出身の日本大好きフランス人。

今回が訪日5回め。

(ちなみに10歳の時に漫画家、谷口ジロー氏の作品を読んだのがきっかけで、日本大好きになったそう。谷口ジロー氏は、日本よりもフランスで有名な漫画家で、何気ない日本の日常生活を淡々と描写する作品が多く、日本では「孤独のグルメ」がいちばん有名な作品です。)

2人とも本格的な大工仕事は初めてとの事。

たまにはぶつかり合ったりもしながらも、基本は仲良く日仏合作の軽トラハウスを仕上げてきています。

僕は、彼らのやることに、あまり口出ししないようにしながらも、たまにアドバイスしたり、間に入ってみたりとかして、うまくプロジェクトが進行するように、そして、うちを汚したり壊したりしないように、さりげなく見張っています笑。

近所の人たちも、何やってるの?と見学に来たり、川遊びやご飯に誘ってくれたり、と温かく見守ってくれています。

あと一週間ほどで、家が完成したら、みずからトラックを運転して旅立っていきます。

前に家にいた居候たちも、ニート君は更生して今ではちゃんと働いてますし、作家君は、我が家で2冊の新しい本の着想を得て本を出しましたし、大工氏は仕事を覚えながら我が家をかなりきれいにして、旅立って行きました。

若者たちの旅支度を手伝えるのは、たのしいことです。食費はかかりますけどね笑