講座3 過剰な保湿ケアは考え物

2021年9月27日

スキンケア講座のつづきです。

前回までは、
* 表皮は老化しない
* シミ・シワ・タルミは老化現象ではなく「長年受けてきた肌ダメージ」の蓄積
* 代表的な肌ダメージ要因3つの1つ目は、過剰なスキンケア
(こすりすぎ&洗いすぎ&過剰なマッサージ)

という話でしたね。

今回は引き続き過剰なスキンケアの弊害について。
今回は過剰な保湿ケアについてです。

一般に保湿をすることは良い事とされています。
…確かにこれは正しいです。
でも、実は保湿のしすぎはあまり良くないんですよ。

保湿のしすぎの問題に関しては、あまり触れる人がいませんね。
ほとんど聞いた事がありません。化粧品の売れ行きに影響するからでしょうか。

化粧品業界からしたら、保湿をたっぷりしなさい、しないと大変なことが起きるよ・・・・
と脅しておけば保湿化粧品が良く売れるので、やたら保湿しろ、保湿しろと言ってますね。

当店の化粧水キットは最近、少しずつ売れ始めてはいるものの、
そもそも、大した数は売れてませんので、多少売れ行きが落ちても
あまり痛手はありません。 (そもそも痛いんで…)

だから、あえて本当のことを書いちゃいますね。
保湿のしすぎはやめましょう!

保湿をしすぎるとどうなるのでしょうか?

保湿化粧品や加湿器など、人工的な保湿に頼っていると、
肌本来の保湿能力が使われなくなってしまう恐れがある
という事が近年分かってきました。

いままで、皮膚は体外と体内とを隔てる
単なる壁のような存在だと思われてきましたが、

実は、かなり高度な能力を持っていることが分かってきました。
皮膚ってえらいんです。

皮膚には独自のバリア調整能力があるんです。
皮膚細胞は湿度や肌表面のバリアの状態を敏感に察知して、
独自の判断で皮脂の量を増やしたりバリアを増強したり減らしたりしているそうです。

たとえば、実験で界面活性剤溶剤で皮脂を完全に取り去ったり、
セロテープを同じところで貼ったりはがしたりして皮膚のバリア機能を破壊しても、
1日位でなんと以前の80%くらいには修復されます。

表皮は体の防衛線の最前線。
皮膚のバリアが破壊された! という事を察知すると、
皮膚は一生懸命にバリアを修復させるんですね。 
ホント、人体ってうまくできていますね。 感心します。

ところが、不思議な事に、肌バリアを破壊した後に、
その箇所を水を通さないプラスチックの膜で覆うと、
この修復機能が働かないんです!
                    (サンフランシスコ Elias研究所での実験)

つまり、肌はバリア機能が壊されたことに気づかないんです。

人工的な膜が乾燥を防いでくれて、異物の進入を防いでくれるので
バリア修復機能を働かせる必要がない、という判断が働くんですね。

このプラスチック膜が、保湿化粧品だったらどうでしょう?
バリアがもろくなっていても、肌バリア修復機能が働きません。
保湿化粧品が乾燥を防いでくれるからです。

でも、これでいいのでしょうか?

何がいいたいかといいますと、
「肌には潤いが大事、保湿をしなくちゃ!」
ということを良く聞きます。

確かに保湿は大事です。
保湿をすると言う事自体には私は大賛成です。
健康で美しい肌にはやはり保湿は欠かせません。

ただし、何事もやりすぎはいけません。

あまりに完璧な保湿をしすぎると、バリア機能を充実させようとする
肌本来の機能が衰えてしまいます。

「保湿化粧品を常に欠かさずつけるから別にいいもん」
と言う人もいるかもしれませんが、
肌本来の立派な保湿機能があるのに
それを使わないで化粧品に頼るのは変な気がします。

前回書いた事と同じですが、
適度に手を抜くくらいが肌のためにはちょうどいい様です。

 
■保湿化粧品との上手な付き合い方

化粧品はあくまでも補完する役割。 主役はあなた。
 
化粧水→美容液→乳液→クリーム
なんてラインをそろえて買う必要なんかありません。

保湿力のある、高品質の化粧水が一本、
あるいは蒸発を防ぐオイルやクリームがひとビンあれば、
それで十分。

基本的には肌の力を活かすように。
化粧品の保湿力に頼るのはこんなとき。

* 特に乾燥が激しい日、
* 極度に乾燥した場所に行くとき、
* 季節の変わり目や、生活が乱れている時、最近ちょっと疲れてるなという時など、
 (ストレスの多い時にはバリア機能が低下するんです。 この話は後日。)

こういうときには、保湿力の高い化粧水を多めにつけるなど、
化粧品の力を頼ってみましょう。

(手作りの化粧水キットですと化粧水自体の保湿力を
自分で簡単に調整できるから便利ですよ。
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また、目の周りや口元の表皮の薄い所などは、
肌本来の修復力にたよりきれないな、と感じ始めるお年頃でしたら、
気になるときに軽いオイル等で保湿するとよいでしょう。

■まとめ

 化粧品に依存しすぎない事! 
化粧品はあくまでも補完する役割。 主役はあなた。
 

以上です。
いかがでしたでしょうか。

前回のように張り切っていっぱい書きすぎると、読むほうも書くほうも大変。

というわけで、

今後はもっと簡潔に、そして定期的に(週1回)
書いていこうと思います。

では!
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ご意見・ご質問などどんな些細なことでもいいのでメールかコメント下さいね!
お返事はいつも書いていますよ。       すぎ

参考図書: 「皮膚は考える」岩波書店 伝田光洋さん