カモミール畑&蒸留所訪問記

2021年9月27日

このたび珍しいジャーマンカモミールウォーターを発売します。

今まで販売していたローマンカモミールに比べて、

 1) 香りがよい (甘くてさわやか。青りんごのような、フルーティなかおり。)
 2) ニキビや敏感肌等のトラブル肌にやさしい成分アズレンを含む

という二点が特徴です。

魅力的でしょう?

ところが、このハーブ水は、めったに入手できないのです。
なぜそんなに珍しいのでしょうか?

それは、このハーブ水のふるさとの畑を訪問したときに分かりました。
長野県の中央アルプスのふもとの畑です。


カモミール達はここの、きれいな空気と雪解け水で育ちました。

  ↓ ↓ ↓

開花時期に刈り取ったカモミールは、シートに広げて天日干ししていったんドライにします。
生のままではあまりいいものができないのだそうです。


ここの農園主、農学博士のKさんは、カモミール大好きなのに残念ながら、菊アレルギーもち。
くしゃみが出るのでこの作業には立ち会えないんだとか。


乾燥したカモミールの花と茎を蒸留器にセットして、蒸留スタート!
手前の銀色の部分が蒸留器で、上下の黄色のタンクは冷却水です。

お茶を飲んで待っているうちに蒸留終了~!
先月のイラン出張で見てきた、中世からほとんど変わっていない蒸留釜と違って、
サーモスタットと電磁弁で電子制御されていますので、
見張っていなくてもちゃんと蒸留してくれます。
さすがメードインジャパン!

床に置かれたビニールタンクに入っているのが、ジャーマンカモミールウォーターです。
蒸留したてでアツアツです。
少し青っぽい色をしてますね。

上澄み部分を採取して三角フラスコにとってみます。
青くてきれいなインクのようなものが見えますね。

これが、ジャーマンカモミールの精油(エッセンシャルオイル)です。
これが結構、高価なんですよ!

きれいな青色から、ジャーマンカモミールの精油は「ブルー・カモミール」とも呼ばれます。

この青色は「アズレン」という成分の色。

(アズレンの語源は、多分スペイン語等で青を意味する”azur”かなと想像して、調べてみたら英語でも、紺碧の青空のことを”azur”というそうです。地中海の真夏の空の強い青色に似ているなと思いました。)

炎症をおさえる作用にすぐれており、民間治療薬として、何世紀も前から使用されてきたアズレンは、現在では、胃薬やかゆみ止め、目薬などさまざまな医薬品にも処方されています。

で、下の水部分が芳香蒸留水(ハーブ水)です。
こちらも若干青い色がついてますね。
この青が蒸留後だんだん緑に変化します。

濾紙を使って上澄みの精油を丁寧にこしとると、
ジャーマンカモミールの精油と芳香蒸留水が完成です!

      ***

ここで、最初の疑問点に戻りますが、
ジャーマンカモミール水はなぜそんなに珍しいのでしょうか?

このジャーマンカモミールの精油は、
ほんのちょっとしか取れなくてしかもとっても高価なんです。

高値で取引されるため、少量ですごく儲かります。

というわけで、この高価な精油を一滴でも多くとるために、蒸留所は努力するのですが、
そうすると副産物の芳香蒸留水(ハーブ水)の質がおちてしまうのです。

この芳香蒸留水からも、溶け込んだ精油成分を一滴でも多く搾り取ろうと、
再蒸留を重ねると、上の写真のような薄いブルーの蒸留水は、
最後は抜け殻のような透明な水になってしまいます。
香りもかなりビミョ~。

というわけで、ジャーマンカモミールの芳香蒸留水は珍しいのです!

今回採取したこちらのハーブ水は、蒸留回数は一回のみ。
これってすごく贅沢なことなんです。

ジャーマンカモミールの貴重な精油成分が水の中に自然な形で溶け込んでおり、
それが、この特有のフルーティな香りと、敏感肌にやさしい成分の含有量、
という結果につながっています。

以上、ジャーマンカモミール畑&蒸留レポートでした!

商品リンクはこちら: ジャーマンカモミール水

※ 「ジャーマンカモミール」は、「カモミールジャーマン」となぜか逆で呼ばれることもありますが、英語表現的にはジャーマンが先だろう、と思うので「カモミールジャーマン」ではなく「ジャーマンカモミール」と呼びます。

どっちが適切なのかは分かりませんが、ま、どっちでもいいですよね^^