乳香: フランキンセンス
昨日、山口さんの工房に出向き、いろんな香料の写真を撮ってきました。
さて、このきれいな物はなんでしょう?
これはフランキンセンス、和名を乳香(にゅうこう)という香料です。
これほど大きなかたまりは珍しいそうです。
原料のフランキンセンスの木の幹に傷をつけると、乳白色の樹脂がにじみ出てきます。
この樹脂をしばらく置いておくと、この写真のように固まります。
この樹脂をナイフで削ってそのまま焚きしめたり、あるいは水蒸気蒸留して精油や芳香蒸留水を採取したりしてから使用します。
香りは、フルーティでいながら甘くスパイシーな、大変ミステリアスで高貴な香り。少しかんきつ系?パイナップルっぽいかも?
心を鎮めて雑念を取り去り集中させる感じです。
古代エジプトでは宗教儀式で焚かれたり、化粧品、医薬品として珍重され、紀元前4000年のピラミッドからも出土しています。
また、イエス降誕時に東方の三博士がささげたとされる贈り物は、乳香、黄金、没薬。
足元で煙が出ているのが乳香。
これらの贈り物には一つずつ象徴的な意味があります。
乳香は神の子としての天性を、黄金は王としての天性を、そして没薬(「もつやく」・・・こちらも高価な香料でミルラの木の樹脂)はやがてやってくるキリストの死と苦しみを象徴するそうです。
古代には黄金に値する、として珍重されていたこの乳香(フランキンセンス)の利権をめぐる争いがあったほど、大変価値があり、人の心をとりこにさせる魔力がある香料です。
宝石のように美しいので、下からライトアップして撮影してみました。
キレイなもんですねぇ。
フランキンセンスは、強壮作用、肌にはりをあたえる、しわの出現を遅らせる、感情を鎮める、呼吸を深くし呼吸器系に働きかける、などと昔からいわれて珍重されてきました。
アロマテラピーでは、フランキンセンスはバラとのブレンドなどで、マチュアスキンにいい、という事で、シミシワ対策のフェイシャルトリートメントなどに利用されます。
このフランキンセンスを使った商品を来週発売予定。
クリスマスバスケットに入れるバスソルト、そして、「冬の夜のおくりもの」という石けんです。