かえる
今年の春に巣立ったやつらだ。
足音に驚いて、小さいのが
暗がりでぴょこぴょこはねている。
近所の神社の、たたみ半畳くらいの
小さな金魚池が、奴らの本拠地らしい。
都心のど真ん中で、たくましく生きる彼らに
出会うと、なんだかうれしい気分になります。
舗装の上で干からびてしまわないか、えさはいるのか
車にひかれないか心配ですが、幸いウチの地区は
いくつか井戸があったり、車が入れないような細い路地が
多いので比較的安全みたい。
だから、21世紀の今でも脈々と血筋が続いているのでしょう。
でも、不忍通り、音羽通りと大きな道路に囲まれている
地域なので、毎週、何匹かは確実にひかれてると思います。
かわいそうに。
田舎の路上で車にひかれた蛙と、
文京区の路上でひかれた蛙、
同じ死でも文京区の蛙の死のほうが
重い気がするのはなんなのでしょう。
イラクでの死と、日本での死の感じ方とおなじ話なのかも。
身勝手なものです。